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第八回 ウエーディング・システム

(文) FLYの達人 渡辺 隆 
 

英国のユニローヤル社(UNI ROYAL)から発売されたダークオリーブのハンターブーツ(Hunter Boots)英国のユニローヤル社(UNI ROYAL)から発売されたダークオリーブのハンターブーツ(Hunter Boots)は総ゴム製のアウトドア仕様のブーツとして名声を得ていました。ハンティングや釣り用のブーツは特に信頼されていたようです。このユニローヤル社はもともとゴムを活用するタイヤ・メーカーでしたが、時代の推移とともに企業間の思惑で統合や合併を繰り返し企業自体が無くなってしまいました。しかし、当時を知る職人たちが会社を存続させハンター(HUNTER)社と社名を変更し、現在でも綿々とその伝統を守っています。
同様なゴムでも医療用に開発されたラテックス・ラバー(Latex Rubber)で製品化された製品もありましたが、素材自体が薄く、動き回ることによりよく擦り切れ、水漏れしやすく製品はすぐに消えてしまいました。私のウエーダーもすぐに擦り切れ何度も使用しないうちに、処分する羽目に陥った苦い思い出があります。次に出たのはダイビングのときに着用するウエットスーツの素材、クロロプレン素材です。この素材はクロロプレンの重合に依って得られた合成発泡ゴムで1931年に米国デュポン社が開発し製造を始められた素材で、その商品名がネオプレン(Neoprene)と呼ばれていたことから、一般的にネオプレン・ウエーダーと呼ばれました。

ウエーディング・シューズ釣り場で求められるウエイダーの役割は水中でも保温性が保たれること、動きやすいこと、濡れないことがその三大要素となります。その保温性や動きやすいという面でクロロプレンが優れた素材となることから、一時この素材ももてはやされましたが、重量が他の素材に比べ重くコンパクトに畳むことが不可能というコンパクト差(性能)に欠けることから新素材のゴアテックス(GORE-TEX)に取って代わられつつあります。しかし、寒い時期の釣りに欠かすことは出来ません。
ゴアテックスはさまざまな素材に活用されているので、ご存知の方も多いと思いますが、防水性や透湿透過性(汗などの粒子の細かい水蒸気は外に逃がし、水滴などの大きい粒子は透過させない性質)に優れた素材で雨具(レインジャケット)や帽子(ハット・キャップ)、靴(シューズ)等に多く利用されている素材です。第一世代の初期モデルは水漏れなどの不具合が生じ残念ながら製品としての信頼性は低かったのですが、最近の製品は生地の弱い部分を二層(2レイヤー)、三層(3レイヤー)に補強し、最強のものは五層(5レイヤー)に補強され耐久性に優れ丈夫になっています。現在、主流となっている素材です。釣りになくてはならない存在ですが、このウエストハイ、チェストハイがあることにより、河川内に立ち込み過ぎるという弊害も出ています。釣り人の多さにストレスを感じ、魚の出が悪くなるという問題です。注意しましょう。

長靴タイプはクラッシックでもあり最近は人気が回復しているような気配です。川岸や管理釣り場だけで釣るにはぴったりの存在でもあります。小渓流等ではヒップブーツ・タイプやウエストハイ・タイプを利用したほうが便利ですが、大きな川や海外遠征を狙うならばチェストハイ・タイプの利用を勧めます。靴付きのブーツフット・スタイルとウエーディングウエーディング・シューズを履く組み合わせスタイルの相違については、歩行距離が短く、動き回らない場合においてはブーツフット・スタイルを、歩行距離が長く、歩きやすく動けるのはウエーディング・シューズとストッキング・フットの組み合わせスタイルを選択するといいでしょう。


次回はレインジャケット(Rain Jacket 雨具)を紹介しましょう。

 
おすすめスポット
奥日光、湯川

箒川栃木県奥日光の湯川は、湯の湖を水源とし中禅寺湖へと注ぐ河川で、戦場ヶ原の湿原をゆったりと蛇行しながら流れ、川岸の木道は学生などのハイキングや観光客、また若者のデートの散策路としても有名な場所で、標高1400メートルに位置する湯滝からはじまり竜頭の滝までのおよそ12.4キロメートルと規模の短い河川です。しかし、特に戦場ヶ原の湿原を流れるあたりからは、湿原からの伏流水により水量も増し、竜頭の滝では湯滝から出る25倍もの水量に変化するといわれています。

“湯川の釣りはスコットランド出身のトーマス・B・グラバー(Thomas Blake Glover)が1902年5月2日アメリカのコロラド州から発眼卵を輸入し、ブルックトラウトを放流したことから実現化します。奥日光ではこのブルックトラウトを「パーレット鱒」と呼んでいますが、それはグラバーとともに移植放流事業に尽力を尽くした英国大使館職員ハロルド・パーレット(Harold Parllet)に由来しています。”(内水面パンフレットからの抜粋)この後、何度かの放流を繰り返したことで完全に定着しました。冬季には産卵する姿を見るためのツアーもあるようです。元来、水生生物の乏しかった中禅寺湖ですが、湖畔より上流域を外国の大使館や公使館の別荘として活用していたようです。その際、故郷を懐かしく想う外人が鱒類を放流してFF(フライフィッシング)が行われるようになったことから、日光が日本におけるFF発祥の聖地として紹介されているのです。

箒川ちなみにトーマス・グラバーとは長崎にある洋館グラバー別邸の持ち主で、プッチーニの代表的三部作、オペラ「蝶々夫人」のモデルになった人物でもあるようです。日本人妻ツルとの次男、倉場富三郎(Thomas Albert Glover)は通称「グラバー図譜」(Fishes of Southern and Western Japan 日本西部及び南部魚類図譜)と呼ばれる魚類図譜を編纂しました。
これも父親からの釣り、いや魚を愛することが遺伝しているのでしょうかね。
湯川は湯の湖とともに独立行政法人中央水産研究所(内水面研究部)の利用する研究水面として農林水産庁が行政財産(試験研究水面)を管理するという珍しい形態で行われています。

さらに維持管理は全国内水面漁業協同組合連合会(全内漁連)日光支所が委託を受け、釣り場の管理を行っています。一般河川は国が所有し漁業権を持った漁協が管理する形態をとっているのですが。まあ、研究フィールドとして最適なのでしょう。この湯川は上流部と下流部で、その趣はまったく異なります。湯滝から小田代橋までの区間は岩盤質で岩もありフリーストーンの様相を呈していますが、泉水池(いずみやどいけ)を中心とする禁漁区から下流域は青木橋からは湿原をくねくねと流れるチョークストリームの様相を呈しています。

最近はキャッチ・アンド・リリース河川が増えてはいますが、この湯川のように生態持ち出しを禁止する河川は始めての試みです。また、ラムサール条約登録とともに河川流域では全域禁煙にしているとのこと。このことはこの原稿を書くまで知りませんでした。この区域において私もタバコを吸わないようにします。先日は喫煙してしまいました。ごめんなさい。これは言い訳ですが、きちんと灰皿を持ち、灰も捨てていません。
濁りが入るのは釣り人が立ち込むせいだと云う事もはじめて知りました。

〈遊漁券販売所〉
1.湯の湖釣り事務所  6:30~17:00     0288-62-2524
2.赤沼茶屋        6:00~17:00     0288-55-0150
3.湯滝レストハウス   7:00~17:00      0288-62-8611
4.大島商店        6:00~17:00      0288-55-0022
〈解禁日&料金〉     5月1日 3000円  5月2日~9月30日 2000円
〈参考外部リンク〉
全国内水面漁業協同組合連合会
全国内水面漁業協同組合連合会日光支所
中央水産研究所
〈参考文献〉
日光鱒釣紳士物語(著者:福田和美氏 発行:山と渓谷社)



【問い合わせ】
塩原漁業協同組合  ℡0287-32-2264
小林釣具店     ℡0287-32-3037
http://www.siobara.or.jp/gyogyo/welcome.stm
那珂川北部漁業組合 ℡0287-54-0002
http://park6.wakwak.com/~nakagawa-hokubu/


アウトドア&フィッシング ナチュラム

コメント

時代の進化で、素材も進化して快適に釣が出来るようになっています。しかし、進化していないのは、私の腕ばかりです。トホホ・・・

投稿者 荒井秀文 : 2007年08月02日 20:30

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