第一回 きっかけは、伊勢神宮の「式年遷宮」
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| エッセイスト 中尾伊早子 |
| はじめに むかしむかし、日本の人々は、自然と共に暮らしていました。
おじいさんは山へ柴刈りに行き、おばあさんは川へ洗濯に行きました。
山には森があり、水が湧き、木の実やキノコ等の食べ物があり、植物は薬になるものもありました。木は家を建てる材木になり、火を焚く燃料にもなりました。
今のように、スイッチ一つで電気がつき、蛇口をひねれば水が出るという生活ではありませんでした。
人間が生きるために必要なものを与えてくれる山=森にはきっと神様がいらっしゃるのだと人々は思いました。だから、田畑を耕す為に森を切り開いても、必ずその一部を残し、感謝をする場所として、長く守りつづけてきたのです。
「鎮守の森」とは、そうして自然に生かされていることを知っていた古の人々の智慧によって守られてきた大切な場所です。
今も、全国に残る鎮守の森。
神社とはなんなのか、そこで行われるお祭りにはどんな意味があるのか…そこには、四季があって、自然豊かな国だからこそ生まれた〝日本がもっと好きになる〟物語がたくさん詰まっています。そんな物語を一つ一つ紐解いて、お伝えしていきたいと思います。 |
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| 早速ですが、私がNPOちんじゅの森を設立するきっかけとなった出来事からご紹介したいと思います。それは、今から13年前、平成5年に行われた伊勢神宮の「式年遷宮」という行事に出会ったことから始まります。
式年遷宮というのは神宮の建物125社を建て替え、装束やご神宝など、神様に関わるすべてのものを一新する行事で、20年に一度行われ、1300年以上も続いています。当時、このご遷宮に合わせて伊勢で行われたシンポジウムにたまたまご縁があって、その事務局のお手伝いをさせていただくことになりました。そこで、日本文化や伝統行事などにまったく興味がなく、「式年遷宮」という言葉を聞くのもはじめてだった私を、神社関係の方がご案内してくださることになり、小学校の修学旅行以来二十年ぶりに伊勢の内宮を訪れました。
それは7月の終わりでとっても暑い日で、じりじりと太陽が照りつけるなか、おはらい町を歩いて宇治橋をわたる頃には汗だくになっていました。御手洗場で手を洗って身を清め、砂利道を歩いてご正宮に向かう途中、神楽殿までくると右に折れる道があり、少し行くと宇治橋を小さくしたような橋がかかっています。その橋を超えたところに鳥居があり、鳥居の両脇には太く大きな木が真っ直ぐに空に向かって立っています。
森に囲まれて五十鈴川が流れ、さっきまでの暑さが嘘のようにひんやりとした風が通り過ぎました。「ここは風が気持ちいいですね」言いますと、ご案内してくださった神主さんが「ここには風の神様がいらっしゃいます。」と仰るのです。鳥肌が立ちました。涼やかな風が太古の昔から時を越え、私の中を通り抜けていくような心地がしたのです。
そのお社の名は「風日祈宮(かざひのみのみや)」。さらに、若い神主さんは仰いました。「新しいお社ができましたので、来週こちらにお遷りになられます」。目に見えない風に神様を感じる日本人の柔らかな感性や、また、その神様がお引越になるということを普通に話される神主さんの語り口がなんともほほえましく、三十数年生きてきて、はじめて「日本人ってステキだ」と思えた瞬間でした。
それから、環境問題を考える、外国のNGOの間では数年前から自然に畏敬の念を持つ日本人の自然観が見直されていることや、四季があり、豊かな自然に恵まれた日本には、自然とともに生きた先人たちの知恵がたくさんある事を知り、「日本」に夢中になりました。それまで記号のように使っていた言葉、地名にもちゃんと意味や理由がありました。
こんなふうに日本のことを教えてもらったら、どんなに楽しかっただろうか…と思うこともたくさんありましたので、これから一つ一つ紐解いて、お伝えしていきたいと思います。
さて、今回ご紹介した伊勢神宮の「式年遷宮」が7年後に迫ってきており、既に昨年から山口祭、木本祭にはじまり、ご用材を運ぶ御木曳行事などが行われています。これらの儀式を見ますと、森への畏敬の念を感じずにはいられません。ご用材を運ぶ御木曳行事は一般でも参加できますので、皆さんも20年に一度のお祭りに、参加してみてはいかがでしょうか?
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| ▼詳細はこちら→http://www.sengu.info/index.html |
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| ■オススメポイント・・・ |
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伊勢へは名古屋から近鉄特急で宇治山田へ。
参拝はまず外宮(豊受大神宮)さんをお参りしてから内宮(皇大神宮)さんへ。外宮さん付近は「河崎町」の散策がオススメ。 |
| http://www.e-net.or.jp/user/machisyu/snkan_index.htm |
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| 私たちがいつもお世話になっているのは、河崎商人館が管理する南町の家。安くて、お風呂は近くの銭湯「旭湯」さんに行って、自転車で神社めぐり。この町での暮らしが体験出来ます。 |
| http://www.e-net.or.jp/user/machisyu/minami_ie.html |
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| 内宮さんに行くときはおかげ横丁を散策。「おかげ座」では、昔の伊勢でのおかげ参りが体験できます。とってもよくできていますので、ぜひ、覗いてみてください。 |
| http://www.isesyoyu.co.jp/osusume/okage/index.htm |
そして、宇治橋を渡ったら、ご正宮の前に「風日祈宮」に寄ってみてくださいね。
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| イベント情報 NPOちんじゅの森では、昨年から東京大神宮(東京のお伊勢さん)で「彩・選・単フォーラム はじめてのご遷宮」を開催しており、次回は1月26日(金)で、ご遷宮開催の平成25年まで続けます。1月は神話を通して伊勢の神様たちのことを知っていただこうと、唄と語りで神話をわかりやすく楽しんでいただく、「古夜 INISHIE・NIGHT 神々の歌、神々の物語 〝神宮〟」(企画・制作/NPOちんじゅの森)を開催いたしますので、ぜひ、ご来場ください。
▼詳細はこちら→http://www.chinju-no-mori.or.jp/
なお、1月26日の「彩・選・単フォーラム はじめてのご遷宮」につきましては、近々にご案内いたします。 |
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コメント
初めて伊勢神宮に行ったのが昨年の春でした。その感動はいまでも鮮明に残っています。鎮守の森には、古来から生態系残っており大切にしたい大事な日本の文化です。これからも全国の鎮守の森を紹介して下さい。楽しみに待っております。
投稿者 宮本信子 : 2006年11月21日 17:03
管理人です。コメントありがとうございました。いかがでしたでしょうか?管理人は神社に行くと、気持ちが引き締まる気がします。そして、ちょっと誇りに思ったりもします。やはり私達日本人にとって、神社は特別な存在なのでしょうね。これからも日本がもっともっと好きになるような情報を発信していきます。お楽しみに!
投稿者 管理人 : 2006年11月22日 10:21
今回スタート「鎮守の森物語」これからが大変楽しみです。日本には、有名な神社だけでなくその土地の自然・文化が、いまも息づいている地域が沢山あります。そんな個性溢れる神社も紹介お願いします。
投稿者 徳田力 : 2006年11月22日 14:01
全国の神社を廻っています。
そこには,いろいろな文化に接することが出来ます。我々が忘れてしまった大切な事を再発見できます。日本がこんなに素敵だったかを知るチャンスでもあります。このエッセイをこれからも楽しみにしています。
投稿者 鎮守様 : 2006年11月22日 17:59
管理人です。私のまわりにも神社めぐりをしている方が結構いらっしゃいます。ある程度年をとらないと、良さがわからないものってありますが、まさにそれなのかな?
投稿者 管理人 : 2006年11月24日 10:34
スタジオジブリの「千と千尋の神隠し」でも分かるように、日本には八百万の神様がいらっしゃるんですよね。なんだかワクワクしますね☆
「日本がもっと好きになる」とても素敵です。知らないことばかりなので、これからが楽しみです。
投稿者 でーで : 2006年12月03日 16:57
でーで様、コメントありがとうございます。
八百万もの神様がいらっしゃるんですね。ひとりひとり(?)の神様の顔とか風貌などを想像すると、なかなか楽しいです。日本をもっと好きになっていただけるよう、がんばります。
投稿者 管理人 : 2006年12月05日 10:20
幼い頃には板塀の下の方に、神社の鳥居が描かれている景色が町のそこここにありました。「三丁目の夕日」みたいな時代の話ですが・・。
神様や仏様と当たり前のように一緒に暮らしていて、日常的に何かに手を合わせることが自然な時代でした。
中尾さんが書いておられる「日本人てステキだな」と思えるような、そんな風情のある大人がもっともっと増えたらいいなと思いつつ。
連載のスタートをお祝いし、これからを楽しみにしています。
投稿者 志藤洋子 : 2006年12月08日 20:54
皆さま
メッセージありがとうございました。とても嬉しいです。
ちょうどこのエッセイが始まったころからNPO事務所の引越やら会社設立やらとドタバタしており、お返事も出来ず失礼をいたしました。
ようやくいろいろ落ち着きましたので、今年はちゃんとお返事していきたいと思っています。またぜひ、遊びに来てください。
そして、またご意見など残していただけると嬉しいです。
今後ともよろしくお願い致します(^^)
投稿者 中尾伊早子 : 2007年03月05日 12:14
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